その日も、僕は不幸チャンネルを見ていた。
他人の不幸を読み、自分の心の傷を和らげるためじゃない。
あめふらしに関する書き込みを読んでいた。
最近、あめふらしの殺人に関する書き込みばかりで、自分の不幸を語る者はもう一人もいない。
それどころか、皆あめふらしの書き込みを見たり、あめふらしの話をしたいという理由で不幸チャンネルを利用する人のほうが多かった。
あめふらしを神のように崇める者まで出始め、
以前まであめふらしと肩を並べるほど不幸で有名投稿者だったマーチは、不幸チャンネルにはもう現れなくなっていた。