「違う。
ただ、何となく気になっただけ」

「ふーん……。

残念だけど小幡のことはよく知らないなあ」

「そっか…」

「あ、でも本命の高校に落ちたってどっかで聞いたな」

「…そうなんだ」


小幡……落ちていたのか。

小幡の親は、かつての僕の親のように、すごく成績にうるさい人達だ。

受験に落ちてしまった小幡は、きっと親から酷い罰を与えられたことだろう………。


大丈夫かな…あいつ。
心配だな………。


「でも知らなかったなあ、まさか木戸が小幡のことを……」

「だから違うって」

「けど、お前らちょくちょく喋ってたじゃん」

「あれは、塾が一緒だったから、ちょっと仲が良かっただけだ」

「ふーん。

あ、俺これから家の用事あるから、帰るわ。
じゃあな」