「だよなあ。
テストちょっとミスったくらいでいくらなんでも泣くなんて……。

逆に嫌味っぽく見えるわ」


と大輝。


伊藤と大輝がそう感じるのも無理はないかもしれないが……僕は小幡の気持ちがわかる。

彼女の親は僕の親と同じで、テストがどれだけ平均よりよかったとしても、重要視してくるのは順位。

順位がよくなければ、怒られ、罰せられる。


それが、僕達なのだ。


気の毒だが、これは仕方のないことなんだ。


いい順位をとらなければならない。

いい順位がとれなかったのは、自分の実力不足……すなわち、小幡の実力不足ということなのだから。


「ひぅっ………うっ、うっ……………」


泣き崩れる小幡の姿を見て、僕は胸が締め付けられた。