そうだ、僕は一度だけ……三年の二学期の中間試験で、一位を取ったことがあった!

あの時は、僕の人生で一番頭が良かった時期だといえるだろう。

それほど、この時の僕は勉強に必死だった。


「あ、ああ。
これで、ゲームが許されるといいけど」

「許してくれるだろ、さすがに」

「そうそう、だって一位だぜ?この学校で、一番ってことだぜ?」

「そう、だよな!」


そう。

一位を取った。
これ以上、上の順位は存在しない一位を、僕は取ったんだ。


きっと、少しは自由にさせてもらえるはず。


「敏明、今日俺ん家でゲームやろーぜ。
伊藤も一緒に」


大輝が、僕を誘う。


「ああ、いいな!」

「そうだな。お前の家に行くの、久しぶりだな。
今から楽しみだよ」


遊びは親から禁じられているけれど……今日くらい構わないだろう。