どうして、そのことを知っているんだ………。


そう、僕はあの時のテストは不正行為……つまり、春菜さんの言っている通り、カンニングをしていた。


小幡や春菜さんと同じように、成績にうるさい親を持っていた僕は、どうしても成績をあげたかった。

そうでもしないと、部屋に閉じ込められて勉強三昧の毎日を送ることになってしまうから……。


だけど、中学二年の三学期から三年の一学期まで、僕の成績は伸び悩んでいた。

おまけに、遊びは一切禁じられる始末。


一体どうすれば成績があがるのか。


思いついた結果が、カンニングだったのだ………。



国語、英語、社会などの文系科目は、カンニングペーパーを作り、

理科の一部も、カンニングペーパー。

数学と理科の計算問題については、参考書や問題集からテストに出そうな傾向にあるものをひたすら解いたので、そこは実力だ。


だけど、僕がカンニングしたという事実に、変わりはない。