笑い声を漏らす春菜さんだが、その眼は笑っていない。


「お姉ちゃんはね、一位以外の順位をとることは、許されていなかったんですよ。

お姉ちゃんが初めて一位以外の順位をとった試験……それが、三年生の二学期の中間試験。

そこで、あなたが一位をとってしまった。


そのときのテストは、どうやらいつもよりも全体的に平均点が低かったようですね」


そうだ……。

確かに、あの時のテストの範囲はやけに長く、そして難しい内容ばかりだった。

普通なら平均点は五十点前後といったところだが、あの時のテストは、確か僕の記憶が正しければ、三十点前後だったと思う。



「それなのに、あなただけはいつもより点数が良かったらしいじゃないですか。

どうしてですか?


とても長い範囲で難しい内容だったのでしょう?


なのに、どうしていつもより点数が良くて、一位なんてとれたんですか?」


「それは……」


「それは、あなたがカンニングをしていたから………なんじゃないですか?」


「!」