やはり、今日はシフトが入っていなかったのか……。

肩を落として、店から出ようとすると、目の前には宇野みなみの友人がいた。


「ちょっと、いきなり逃げるんじゃないわよ!

逃げるってことは、やっぱりあんたが犯人ってことなのね」

「いい加減に話を聞け。

僕はあめふらしでもなければ、犯人でもない」


そう言って、僕は店を出た。

なぜだか、一緒に彼女もついてくる。


「待ってってば!」


彼女が、僕の服の袖を掴む。


「あ」


そうだ……。
もしかしたら、春菜さんはあそこにいるかもしれない……!


「宇野みなみの居場所が知りたければ、ついてこい」


彼女が服の袖を掴む手を逆に掴んで、僕はあの場所へ行った。