「それでねー、彼氏がさー……」

「うんうん」


二人の女子高生が、何やら楽しそうにお喋りをしながら歩いていく。

とっくに冬休みに入っている時期なはずなのに、制服姿ということは、部活の帰りかなんかだろうか。


やたらとスカートが短くて、いかにもギャルという感じの風貌。

一人は頭を茶色く染めていて、青いシュシュで髪をまとめている。

もう一人は、普通に黒髪のストレートだったが、制服をめちゃめちゃ着崩している。


小幡や、その妹の春菜さんとは全く違うタイプの女子高生だ。


のんきでいいよなぁ。

僕の周りの人がたくさん死んでいくのに、こいつらはいつも通りの平穏無事な日常を気ままに生きているのだから。


前までは、不幸なままでも仕方ないと思っていた。

だけど今は、幸せそうに生きているこいつらが、とても羨ましく思える。