マスコミ……。

確かに、僕も退院したばかりの時は、よく追い掛け回されていたな……。

友達の大輝が殺されてしまったというのに、どうしてよくもいけしゃあしゃあとその心の傷口に触れてくるのだろう、と腸が煮えくり返った。


ましてや、大輝の母親の場合は、一人息子を失っている。

その悲しさ、怒りは、僕とは比べ物にならないだろう。


だけど、ここで立ち止まっていてはダメなんだ。

ここで一歩、前に進まないと、小幡があめふらしであるという証拠は、掴めない。


これ以上、犠牲者を出したくない。

伊藤や大輝のように、誰も殺されてほしくない。

誰も、僕や彼女のように、悲しみ、苦しんでほしくない。



「気持ちはわかります。
だけど、僕の話を聞いてください」