『敏明…敏明』



なんだ………?
大輝の声がする。


「大輝、どこだ?」


辺りを見渡してみるが、どこにも大輝の姿はない。

この声は、一体どこから…?


「大輝、大輝!」


『ここだよ……ここ』


「だから、どこだよ!」


『ここ……』


何となく、声が大きく聞こえる方向へ歩く。


「大輝っ、大輝ー!!」


『もうちょっと、真っ直ぐ、あ、惜しい、右』


どこから聞こえているのかわからない大輝の声を頼りに、僕は歩く。