「そのとき……姉が変なこと言いませんでしたか?」


春菜さんに言われて、ちょうどそのことを考えていたので、僕はドキッとする。


「まあ、変っていうか……なんというか………。

でも、どうしてそんなことを?小幡が、春菜さんにわざわざ教えたのか?」

「ああ……うちの姉って、いつも自分のグチを私に言うんですよ。

それで、なんか木戸君がどうの、伊藤君がどうのって言っていたんで………。

木戸さんと何かあったのかなって思って」


そうか………。

不幸チャンネルの住人が、不幸チャンネルでグチを吐き出していたように、小幡は春菜さんにグチを……。

そうやって、小幡は自らのストレスを、今まで発散してきたのだろうか。