しばらくして、春菜さんが出てきた。

「すみません、お待たせして」

「いや、いいよ。
どうせ、家に帰ってもすることないし」

「そうなんですか?

あ、近くにすごくいいカフェがあるんです。
そこでお話しましょう」


春菜さんと一緒に、僕は道を歩く。

こうして女の子と一緒に歩くのは、今まで小幡と一緒に塾に行くか帰るかくらいだったので、なんだかドキドキする。


それに、今日は塾じゃない。


カフェとかいう洒落たところに、女の子と二人で行くんだ。

ドキドキするに決まっている。