「こんな近所のコンビニでバイトしていたなんて」

「私も驚きです。
まさか、木戸さんに会うなんて。

そうだ、この後お時間ありますか?」

「え?」

「もうすぐ、バイト終わるんです。
少しお話しませんか?」

「い、いいけど………」


というわけで、僕は春菜さんのバイトが終わるまで、コンビニの出入り口の前で待つことになった。


なんで、彼女は僕と話をしたいのだろう?

僕と彼女が会ったのは、小幡と一緒に歩いた塾の帰り道の、たった一回だ。


それなのに、僕のことを覚えていた。

僕は彼女の胸につけられた名札を見たのと、最近中学のときの夢を見ていたからわかったものの___どうして、彼女は僕だってわかったんだろう……。

僕の名前も覚えていたし……。