僕はいつか一緒に、小幡と塾の帰り道を歩いていたときのことを、思い出した。


-こんにちは。
-私はあさひの妹…小幡春菜と言います。



「小幡の_____妹さん?」



思わず、僕は口に出していた。

すると、春菜さんは、



「え……?
あ、もしかして……木戸さん…ですか?

中学三年のとき、姉と同じクラスだった……」

「そ、そう。
よく覚えているね」

「木戸さんだって、どうして私のことを覚えているんですか?」

「だって、名札」


僕が彼女の名札を指差して言うと、彼女は納得したような顔をした。