「結局、親の悪口言ってるじゃん」

「だって……僕は親の悪いところしか知らないから…………」

「まあ、私もそうだけど…。

でも、お母さんの名前が美香子かぁ…ちょっと私のお母さんの名前と似ているね。

私のお母さんの名前にも“美”の字が入っているんだよ。


美しく喜ぶ、と書いて美喜………。

まあ、お母さんが私の家族の前で喜んでいる姿なんて、見たことないけどね…………。

そう、家族の前では_______」

「小幡だって、悪口言ってるじゃないか」

「あはは………そうだね」


小幡は、眉をしかめながら笑った。