「ま、といっても僕達が話すことといえば、家族に対するグチくらいだよなぁ………」
「ふ、そうだね」
小幡が、笑う。
そのとき、僕は小幡の手にたくさんの絆創膏があるのに気付いた。
…また、父親にやられたのかな。
「そうだ。
今日は家族に対するグチじゃない、お互いの家族のことを話そうよ」
「グチじゃない家族の話??
そんなのあるか?」
「あるでしょ。
家族の誕生日とか、血液型とか、名前とか………」
「名前、か……。
僕の父さんの名前は………武博(タケヒロ)…。
武将の“武”に、博識の“博”で、武博。
名前みたいに強くないし、頭がいいわけでもない。
それなのに、僕に良い成績を求めてくる、面倒な男だよ。
母さんの名前は、美香子(ミカコ)。
美しい香りのする子、で美香子だ。
全然良い香りなんかしない。
濃い化粧と、鼻を劈くような強い香水のニオイがする、キツイおばさん」
「ふ、そうだね」
小幡が、笑う。
そのとき、僕は小幡の手にたくさんの絆創膏があるのに気付いた。
…また、父親にやられたのかな。
「そうだ。
今日は家族に対するグチじゃない、お互いの家族のことを話そうよ」
「グチじゃない家族の話??
そんなのあるか?」
「あるでしょ。
家族の誕生日とか、血液型とか、名前とか………」
「名前、か……。
僕の父さんの名前は………武博(タケヒロ)…。
武将の“武”に、博識の“博”で、武博。
名前みたいに強くないし、頭がいいわけでもない。
それなのに、僕に良い成績を求めてくる、面倒な男だよ。
母さんの名前は、美香子(ミカコ)。
美しい香りのする子、で美香子だ。
全然良い香りなんかしない。
濃い化粧と、鼻を劈くような強い香水のニオイがする、キツイおばさん」



