「それで、ずっと小幡のことをその…よく思っていなかったんだ。

伊藤が小幡にいじめに近い嫌がらせをしているって知ったとき、俺も…小幡が困るようなことをしてやりたいって思った。

教科書やノート隠したりとか、筆箱をゴミ箱に捨てたりとか………。


特に、小幡の成績が下がるような嫌がらせばかりしていた。


その結果、三年の二学期の中間試験で、あいつの成績は落ちた。

そのことを聞いたときは、嬉しかったよ」



僕は、黙って大輝の話を聞いていた。

小幡は、成績が下がると親から罰せられるから、必死で勉強していたのに…大輝はそれを妨害した。

そして、小幡の成績は落ちて……きっと、親からひどい罰を受けたはずなのに、まるで悪気はないように話す大輝に対し、僕は少しムカついた。