「やっぱり……そうだったんだな。

どうして、小幡をいじめていたんだ?

伊藤みたいに、小幡にフラれた_____というわけじゃないんだろ。

お前は昔から、恋愛には興味なかったからな」



大輝はその濁った瞳を僕から離した。
そして、足元を見ながら、蚊の鳴くような声で、そして叱られた子どものように言った。

「俺が、小幡をいじめていた理由……それは…。

成績だよ」

「成績?」

「そう、俺は中学一年の時、ずっとクラスで一番の成績だったんだ。

定期テストの点数も、ずっと俺がクラスで最高得点だったし、通知表だって俺が一番良かった」


そうだったのか……。

一年のときは同じクラスじゃなかったから、知らなかった。

ということは、三年の時は上の下の成績だった大輝は、一年の時は上の上だったということだ。