不幸チャンネル

かつて、「マーチたん」と呼ばれ、自らの不幸を語り、皆から崇められていた頃のマーチの姿は、もはや見る影もなかった。


「かわいそうに」


おそらく、マーチにとってたったひとつの居場所だった不幸チャンネルが、もう自分の居場所ではなくなったマーチは、一体どんな気持ちだろう。

きっとそれは、とても不幸な気持ち。


だけど、そんな不幸な気持ちを、吐き出す場所がない。


僕も同じ……マーチのように、かつては不幸チャンネルを生き甲斐としていたが、今となっては不幸チャンネルはあめふらしのことばかり。

誰も不幸を投稿しないようになったし、あめふらしを崇拝する不幸チャンネルの住人達………

いや、あめふらしの信者達を見ていると、とても不愉快になる。


だから、僕はマーチのことを、本当にかわいそうだと思った。