でも横をすり抜けようとしたものの、先輩は立ちふさがった。 「あーやっぱ怒っとるよな?そりゃそうやな。なぁ、ちょっと話さん?ちょっとでええから。な?」 「……ッ」 先輩は相変わらず、笑顔で強引なひとだ。 「でも今はほんとに……ッ」 「あれ、それ持ってどこ行くん?…………もしかして帰るん?」 先輩の目が私のバックに止まる。