恋は世界の片隅に【短編集】




搭乗ゲートに向かう直前、隼人が振り向いた。


「結衣、3年後、また初雪が降る頃に戻ってくるから」


「うん…」


「したらまた、一緒に雪合戦しような!!」


「……!」



限界だった。


泣かないって決めたのに、勝手に涙が溢れてくる。



「そしたら俺、結衣に言いたいことがあるから」


「うん」


「だから……待ってて」





そう言い残し、隼人はロンドンへと旅立って行った。


残された私は、その場に泣き崩れて子供みたいに泣きわめいた。


どうして言えなかったんだろう。



隼人……大好きだよ。




だから私、ずっとずっと待ってるから――……。