「……ちょっとハルチカ、どうゆうこと?」
クラスでも一際目立つ女の子が、あたしたちの前に歩み寄って言った。
「まさか……ハルチカが前に言ってた“大切な子”って……」
「友梨のことに決まってんじゃん!!」
ニカッと白い歯を覗かせて、春くんが答える。
「……なんで、こんな地味な子…」
「地味だから何?友梨は俺が初めて惚れた女なんだけど」
……初めて……惚れた?
「友梨。多分俺は、お前が思ってる以上に友梨にベタ惚れだよ」
照れ臭そうに笑いながら、春くんがあたしの頬に触れる。
恥ずかしくなって俯いたけれど、春くんは許してくれなかった。