すっかり日が暮れて
街中にイルミネーションの灯りが輝き始めた。

クリスマスなんて 大嫌い。

私はとぼとぼと、走るのをやめてゆっくりと歩きだした。

相変わらず、向こうから歩いて来る人の肩や腕にぶつかる。
『すいません』

『す、すいません』

『・・す・・』

3回目を言う前に、後ろから、マフラーをふわっと巻かれた。

「何やってんの。どんだけぶつかってんだよ」

彼が、私の手首をつかんで、ズカズカと歩き始める。
私は手を引っ張られるようにして
でも何も言えなくて、ついていく。