歌を口遊む小鳥はいつか、大空へ羽ばたく。



「な、なあんだ。そういう事だったんですね!」


 それは基本的に同年代、若しくは年上と付き合う機会の方が多いわたしにとっては新鮮に感じられる、恭しい反応だった。

 頭を撫で回したくなるような愛でたくなるような、不思議な感覚に襲われる。


「そういう事って?」

「あ、はい。一番に出来ないとか言うから、てっきり他に好きな奴でも居るのかと……」

「まさか。だったら告白とかされてもオッケーしないよー」


 彼氏が変わるスパンが短いのに何を言うのかと思われるかもしれないが、異性と付き合う中で自分自身、定めたルールのようなものは幾つかあるのだ。

 例えば浮気はしないだとか、友人以外の異性と二人きりにならないだとか。それでも長く続かない。それも別れ話は必ず相手からされている。


(考えれば考える程、わたし可哀想なんですけど、)


 過去通り過ぎて行った人達の顔を思い浮かべ、思わず笑ってしまった。

 恋人という間柄になるという事は、どうやら相手を束縛する権利を持つという事らしい。だからカズヤにもハルマと同じ事を伝えた。そして彼もそれを承知してスタートした付き合いの筈だった。

 それがどうだ。

 別れ際が「死ね」なのだ――人の心は良く分からない。