歌を口遊む小鳥はいつか、大空へ羽ばたく。



 要は、恋愛よりも友情。

 “彼氏”という肩書があるというだけの事で特別視は出来ないのだ。


「―――そ、れでも良いです」


 言葉に詰まりながらも何とか返事をするというその初々しさに微笑みつつ、「じゃあ宜しくね」と手を差し出す。すると自分が声に出した事で次第に現実を実感し始めたのか、握り返されたそれは力強かった。


「よ、宜しくお願いしま、す」


 学校内でわたしの事を良く思っていない人間が多数存在しているのは知っている。

 何処から聞き付けたのか、ころころと天気のように連れている彼氏が違う事を知っているらしい。それが面白くないのだろう。廊下を歩けば時折ケチを付けられる事がある。

 自分のクラスでは全く無いが。


「でも何で……」

「理由?わたしほぼ毎日バイトもしてるし」

「バイト?」

「そうそ。それに彼氏よりも友達と遊んでた方が楽しい時とかもあるし」


 手を離して、苦笑する。

 漸く中腰気味だったハルマが背筋を伸ばすように立つと、可愛らしい顔立ちをしている割に意外と身長が高いのが見て取れた。わたしが首を持ち上げる程度――百七十五センチメートル位だろうか。

 それまで漂っていたしゅんとした空気が一変して、僅かに元気を取り戻す。