歌を口遊む小鳥はいつか、大空へ羽ばたく。



 もし同じ高校に進学していたのであれば迷わず断るところだったが、この場合ぎりぎりでセーフというところだろうか。些か悩ましい部分ではあるが、仕方無い。

 基本的に同じ学校の人間とは付き合わない事にしているのである。日中も顔を合わせるなどと面倒臭い事はいちいちしていられない。

 そもそもわたしは彼氏という間柄の人間にそれ程執着が無いのだ。優先順位も高くない。


「でもまあ、一つだけ条件飲んでくれるなら」


 だからわたしはいつも通り、いつもの言葉を告げる。


「……条、件……?」


 自分にとって、最も重要な事を。


「うん。わたしはハルマを一番にはしてあげられないよ?」


 これで諦めるのならそれでいい。

 ただ、わたしにとってこれは絶対に譲れない事柄だから。


「それでも良いなら、付き合おっか」


 他に好きな人が居る訳ではない。何か疚(やま)しい事情がある訳でも、後ろ暗い過去がある訳でもない。直感的に苦手な人だと思えば告白すら受け取りはしないし、誰でも良いという訳でもない。

 それでもわたしがこの条件を貫き通している理由は、一重に優先順位の問題と言っていいだろう。