本人がただ廊下を過ぎ去っただけで空気感を変えてしまえる名前なのだ。それが合コンにでも行ったとなれば、その影響力は計り知れないだろう。
「因みにそれは何対何の合コン?」
「三対三、だケド」
「マジかよ!じゃあたかなしと喋った訳!?」
「うん、喋った!」
再び興奮を思い出したのか、ふん、と鼻を鳴らして頬に手を遣るキョウちゃんからはいつもの強気はまるで感じられず、寧ろ恋する乙女のような有様だ。普段の彼女を知っている彼等は、一様に如何にも不気味そうな表情を浮かべた。
「ちょ、ううわ、聞いただけで鳥肌なんだけど!」
「アイツどんな感じで喋ンの?」
「どんなって、うん?普通だケド」
「普通って?」
「見た目通りってコト!柔らかい優しいトーンっていうか、声も如何にも爽やかな好青年っぽくって超良かった!」
「爽やかって、なあ。アイツ毎日女と寝てンじゃん?」
「いやー、アレは凄いわ。その事実知ってても、全く下心感じさせない笑顔振り撒いてるからね!基本アルコール入っても女の子には一切触らないし」
「え、お酒飲んだの?」
「そりゃーね。って言っても居酒屋とかは行けないから、たかなしくんちでだケド」
「え!?家まで行ったの!?」

