「やばい、やばいんだけど!」
いつもならば叫びながら教室に駆け込んで来るショウちゃんの立ち位置に、その翌日、キョウちゃんが居た。
普段決して声を荒げる事のない彼女の興奮した面持ちにすっかり驚いてしまい、思わず既に登校していたエータと顔を見合わせた。
「やばいって何がやばいの?」
小首を傾げながら、エータが単刀直入に訊く。
昨晩のアルバイトから来る眠気によって齎される欠伸を何とか噛み殺しながら、前の席に腰を下ろす彼女を見つめた。相変わらずメイクには余念が無い。
何よりも睡眠時間を優先させたいわたしとしては感心してしまう程のプライドだ。
「き、昨日アタシ合コン行くって言ってたじゃん?」
興奮醒めやらぬ面持ちで、口早に言葉を紡ぐキョウちゃん。いつもより熱の籠った口調に、エータも不可解そうに彼女を見つめていた。
「何?オトコでも出来たとか?」
「いや、そうじゃないんだケド!」
「鼻息荒いけど大丈夫?」
「い、今はそんなんどうだっていいんだって!マジ聞いて!驚くから!ってかアタシもまだ驚いてンだから!」

