歌を口遊む小鳥はいつか、大空へ羽ばたく。



 朝起きて、学校へ行き、放課後はアルバイト。週に二日ある休みは家で勉強。彼氏とデートしたり友人と遊びに行く事はあっても、基本的に夜遅くは出歩かない。


「アンタ人に害与える性格してないし、数合わせには良いと思ったんだけどなあ」


 それにしたって言い草が酷い。

 確かに話に水を差すタイプでもないから、其処に居る人間としてはリスクもないのだろうが。


「でもまあ、じゃあ明日結果報告するわ」

「別に要らねーけどな!」


 ユキちゃんがけらけらと肩を揺らしながら笑う。


「嘘でも良いから興味ある素振り位見せなさいよー」


 ―――わたしの生活は、ごく普通のものだった。

 ずっとそうやって生きてきたし、きっとこれからもそうしていくのだろう。幼い頃から自分が特別な存在になれるとは思った事も無いし、自分自身を他人より秀でていると評価した事も無い。

 ただわたしは。

 わたしは―――。


「わたしは興味あるな」


 ―――幸せになりたいという気持ちが、ほんの少し強いだけ。