「……ああ」
その視線を追い掛けて、ショウちゃんが納得の声を上げる。
「たかなしくん」
クラスの中で、誰かがその名前を呟いた。
ふわふわ、ふわり。
クリーム色の髪の毛が靡く。
ぺたんぺたんと上履きの音が鳴る。
「ホントだ。たかなしくん」
誰かが言う。
「今日も格好良いね」
そしてまた誰かが呟く。
「同じクラスが良かったなあ」
わたしは自然を耳に入り込んでくるそれらをまるで他人事のように聴いていた。窓越しに、颯爽とクラス中の視線を浚っていった彼が近付いて来るのが見える。
ゆっくりとした足取りは彼の雰囲気そのものを表しているようで、わたし達の会話も気付けば止んでいた。
人間、それも同い年の相手に対する感想ではないのかもしれない。
ただ時にわたしは思うのだ。
(……天使みたい、)

