桜の舞う世界













「雲がなくて星が点々と見えるわ」







「でも夜空に星が少ないのが残念ね……
折角落ち着ける雰囲気なのに」








本当に残念。







そう思っていると後ろから気配がした







「………っ!」






"誰か"の腕に抱かれる







幸い口は動けるようだわ





「何も言わずに入るなんて一体
どなたなのかしら?」





誰なのか聞いてみる






「落ち着ける雰囲気が欲しいなら俺を使え」






落ち着く声なのに





会いたくないと思ってしまうその声は









「碧兎、様?」






「なんだ?」





やっぱり碧兎様だわ





「なぜノックもなしに入られたのですか?」





「桜湖の前では紳士になりたかったのだが」





碧兎様はそこで息を止め




そしてまた呼吸をしながら





「今夜の桜湖にそれはいらないと思ったからだ」



っと言った