日の光で目が覚めるともう千月と陽千は起きていた。



「今日はとっておきのタルトですよ」



そこに出されたのは私がこの前食べたいと
言っていたタルトだった。
まさか、作ってくれるなんて…



「千月、ありがとう(ニコ」



「そっそんな!勿体ないお言葉…」




千月は案外照れ屋だ…それに比べて陽千は
いじりキャラだし、
面白いコンビで見守っていたくなる…



暇を持て余してずっと本を読んでいると
近くのお寺の鐘が急に鳴り始めた。



この時間にはならないはずなのに…
まさか…もう来たのか?
流石に早すぎるだろう…



「陽千、一緒に来てくれる?」




「もちろん」




千月を部屋に待たせ、私達はお寺の方に急いだ。



そこで目にしたのは、グアルディアーノが
パートナー同士で操られているところだった。

 
「陽千!」



姿が槍に変化した陽千を振りかざすと
グアルディアーノを縛っていた物は
とれ、自由になる。



「待っていたぞ、神の子よ」



別にあんたなんかに
会いたくなんてなかったんだけど
この人達助けないとだからね…



「去れ…お前等の主からは何の指示も
出ていないだろ」



にらみ合っているとそこにまたあの時と
同じドアが現れた。



「っ、」
「采羽…」



騙されるな…この人は私の知っている
枯捺さんじゃないっ
信用したら駄目だ…絶対っ


「おいで采羽…君にはそいつらは
相応しくないよ?
誰も…そこにいる誰も…君を愛してなんて
くれないんだよ?」
「っ!」


その時、思い出したくもない夢を私は
思いだしてしまった…



幸せそうにはしゃぐ采羽と、
それを優しそうに見つめる皆の姿…
怖い…こんなの…私じゃないのに…




「……ないっ…」
「采羽?」
「もう見たくないっ」