「貴方は…いったい」
「俺は悪魔の言っていた『主』だよ」
嘘だ…これは悪い夢なんだ…
枯捺さんが…
「じょう…だん…ですよね?」
冗談と言って欲しかった
これはただの夢なんだって…
だけど、枯捺さんは『うん』とは
言ってくれなかった。
「嘘…だったんですか?
私を家族だと言ってくれたのも!
愛してるといったのも!」
「…嘘だよ」
何を今更怖がっているのかな…
こんなこと馴れてるじゃない…
私はすぐに裏切られる…それが信じた時間が長いほど
辛くなる…
だから私は信じないようにしてきたのに…
「だが、愛しているのは本当だよ…
1人の女の君をね?」
そんなのもうどうでもいい…
この人は誰なの?
私が知ってる人じゃない…
枯捺さんじゃない…
『来るのが遅くなってごめんね…采羽』
最後にその言葉を聞いて私は意識を失った。
side采羽 end