幾年の愛を



「レムさん、おはようございます」

「・・・・」

「?レムさん?」


ずっとだんまりのレムさんは何かを
考えてるようで顔をのぞき込むと、
微笑んでくれた。

つられて私も笑顔になってしまう。


「クロウ…」

「クロウ?」

「クロウ=レイヴェン…俺の本当の名だ」


クロウ=レイヴェン…それが
この人の本当の名前…
なんか…あってるかもしれないな…
私が笑っていると隣からは怒った
澪さんが登場した。


「本当の名前ってなによ!聞いてないし!」

「言う必要がないからな」

「ムキーーー!覚悟しなさいよ!これからは
ずぅっーーーと呼んでやる!」


そう言うと、名前を連呼し始めた澪さんが
面白く私は笑ってしまった。
それをクロウさんが微笑みながら
見ていることを知らずに…


ずっとその光景を見ているとまた澪さんに
抱き締められてしまった。


「おかえり…采羽」


『おかえり』…いつかな…
誰かにおかえりなんて言われたのは…
でも…こんなに嬉しくなる物なんだな…


「ただいま」


私はなんの躊躇もなく皆に向かってそう言いはなった。