幾年の愛を



叫んだと同時に私のまわりは光に包まれた。

あぁ久しぶりだな…この力使うのは…
兄さん以外には使ったことがない…
うまく行く確証もない…でも…
可能性があるならやるしかないんだ。

私は倒れている藜さんのそばにより、
傷の上に手をかざした。

どんどん治る傷と私の身体にくる痛み…
あの頃の痛みに比べればたいした事なんてない。


「采羽、もうっ」


止めに入る澪さんに笑顔を向け、
私は悪魔を見上げた。
青ざめながら私を見ている悪魔。
これからの自分に…慰めてもらえ。


「私がこの力で…誰かを守れると言うなら
私は…神にだろうとなってみせる」


「藜!」

「繋縛せよ!」


レムさんが言ったと同時に後ろから
光の弾が撃たれた。
それが水嶋さんの身体に直撃し
その中からは悪魔と思われる奴が出てきた

「な、なんなんだよ!こんなの聞いてねぇぞ!」


「そんなもの…私たちには関係ない」


悪魔はレムさんの一太刀で灰となっていった。


「すごいですねレムさん」


私が傍に駆け寄ると、レムさんは
頭に手を起きながら、微笑んでいた。
さっきの人とは大違いだな…


「あのレムが笑ってるわ藜」


まぁ驚くよね…基本は無口だし笑わないし…でも…とても優しい。