幾年の愛を



こっちに飛んできた攻撃は澪さんと藜さんが防いでくれる。
そのまま順調にいくかと思いきや、
攻撃の破片が藜さんの肩にあたってしまった。


「藜!?」


血を止めようとするが、結構深く言っているのか止めることができない。

どうして…どうしてこんな事になるの?
狙いは私なのに…
なんで他の人が傷ついているの?
どうして…私は…なにもできない…


「ぐぅっ」


藜さんに気を取られておりレムさんが
水嶋さんに刺されてしまった。

なんで、どうして…
もうやだょ…
こんなに傷つくのを見るのはもう…
嫌なんだ…


「いい加減にして!」


私が大声をあげると自然と視線は集まってくる。
別にそんなのはどうだっていい。


「あなたの狙いは私なんでしょ?
なら…私だけを狙えばいい」

「采羽!」


私にだって力はある…
さっきのものとあと一つ…
それをまだ理解はしていないけど…
やれるものならやってみるんだ。


「あなたは言ったはずだ。
私なら…神にも魔王にもなれると」

「采羽、何で…」


澪さんは驚きながら私のことを見ていた。
ここで嫌われたっていいよね?
そんなの…慣れてるんだから。


「なれるものなら…私はなってやる。
お前らのような悪魔にだけは…絶対に
この力は渡さない!」