ー side采羽 ー


今日の夜は出るなと言っていたけど
どうしたものやら…
また水嶋さんからはメールが来ているし
かといって、勝手に出て行ってレムさんに
迷惑をかけるのもいやだ。


カーテンから外を除いてみると当たりは
赤く染まっていた。

これがヴァルプルギスの夜か…
血に染まりし夜…そして月…
悪魔が力をたくわえる。

何も知らないはずなのに知っている。
そんなことがあるのはおかしい…
でも…私はそれを知っていた…


その時、また携帯がなった。
どうせまたあの人からだろう。
飽きない奴だ。

そう思い携帯を見てみると水嶋さんは
子供達達を連れて行ったみたいだ。
私は行ても立ってもいられずに
施設を飛び出した。

学校につくと、屋上のほうで人の影がみえた。
私は何の確信もないまま屋上に向かい、
中に入った。


「水嶋さん…文句があるなら私に言ってくれて構わない。だから、子供達を返して」

「イヤだね」


え?何今の声…聞き間違え?
いや、そんなことがある訳ない…
だって…これは…


「なにを驚いている」


これは男の人の声だ…


「あなたは…だれ?」


違う…この人は水嶋さんじゃない…
私が知ってる水嶋さんじゃない。