幾年の愛を



ふわりと顔を緩ませたレムさんはどこか
懐かしそうに私のことを見ていた
気がした。

そのまま無言のまま歩いていくと
上から何かが落ちてきた。

なにあれ…犬?うぅん違う…
犬には見えるけど…違う。
私はあれを知っているの…

「あ…悪魔」     ピクッ


私がそういうとレムさんは驚きながらも
またふわりと笑った。

「よくわかったな…捕まっていろ」


言われたとおりに私はレムさんの
首あたりをつかみ、レムさんは上へと
飛んだ。
あの夜と同じように…


でも、まわりにはさっきのような
奴らがたくさんいた。

私を抱き抱えたままの状態で戦える訳ないのに!
それでも私は…手を離せずにいた。
無意識で強く掴んでいた手をレムさんは
自分の手と重ねてくれた。


「大丈夫だ。安心しろ、采羽」

その声がどうも安心してもっと離したくなくなる。

そんなことを考えている暇もなく、
悪魔は襲いかかってくる。
その瞬間、何かの光が悪魔を撃った。
もう一方のほうでは悪魔は切られていた。

レムさんが下に降り、私も降ろして貰うと
目の前には前に助けてくれた
2人がいた。


「遅くなってごめんね采羽」

「怪我がなくてよかった」


この人たちと会うのは最近なのに…
なぜがそれが遠く感じる。


「あ、そういえば名前…」

「そうだったね…私は村雨澪…」

「俺はパートナー兼弟の村雨藜」


お、弟だったのか…てっきり兄何だとばかり…澪さんには
申し訳ないことを思ってしまった。