「采羽」

「兄さん?」

「様子がおかしいと聞いてね…何か言われたのか?」




皆に心配かけちゃってたんだ…
なさけないなぁ…



「…クロが…泣いてた…」

「え?」




 






「どうしてか…私の頭から離れてくれない…
私のじゃない記憶までながれてくる…」



あいつと私は違う…
私は守られてるだけ何ていやなんだ…
ただ笑って過ごすなんて…




「…采羽…俺の知ってる過去の『トワ』はな…
闇なんて1mmも知らない奴だった…
俺はその時から知っていたから陽千とだけ
一緒にいたんだ…いつか会えるお前のために」


「私の…ため?」


「あぁ…でも今は少し後悔してるかなぁ…」


「なんで…」


「あの時、過去の『トワ』ともっと関わっていたら
お前のことがわかってたのかなって…」




兄さんは、頭をかきながら苦笑いしていた。



「大丈夫だよ、兄さん…兄さんはいてくれるだけで
私の力になるんだもん(ニコ」





こうして生きていられるのは兄さんのあこげ…
小さい頃にあの男に負けないで…
あの施設でどんな扱いを受けられても…


どんなときでも私の中にはずっと兄さんが
いたから…私はここにいられるんだ…