sideクロウ
信じられなかった…采羽が俺達の所から
いなくなることも…
そんなことを思っていたことも…
「くそっ」
どうして…気づいてやれなかった
あいつの近くにいたのは俺だ…
でも…それはただ俺が勝手に思っていたこと…
傷つけないと言ったのに…
最悪だな…
「采羽…どうして…」
俺達のボスは采羽なんだ。
その采羽がいなくなったらもう…
どうしようもない…
「バカな奴らだな」
そう言ってきたのはいつの間にか俺達の
後ろに立っていた千月と千星だった。
「お前等は何もわかってなかった…
伏見枯捺のときもそう…
あの人を最優先に守れない…結局は
傷つけた…」
「どうしてそこまで怒る…お前は
あの日『トワ』を拒絶したのに」
「拒絶?そんなの当たり前でしょ?
あんな無垢なお姫様…守る価値すらない…」
「どういうことだっ」
千星と千月は呆れたようにため息をつき、
続きを話した
「あいつは弱い…ただ幸せそうに
笑って絶望をしったとたんに
周囲の奴らに甘えだした…それが
気にくわないんだよ」
「そんな…そんなこと誰にだってっ」
「あるっていうの?
なら、今この時代の采羽様は甘えた?
一度でも貴方達に泣きついたことはある?
弱音を吐いたところは?
我が儘を言ったことは?
そんなことすらあんたたちは気づかなかったの?」

