「よし。これで準備オッケーだね
それじゃあ改めて行くよ〜」

翠先生は私が指輪をはめた事を確認すると
再び手を引きドアの向こうへ走り出した

「あっお母さん行って来まーす」

お母さんが
笑顔で手を振るのが見えたかと思うと

すぐにドアは閉まり
跡形もなく消えてしまった

周りをよく見ると皆んなも
どこからともなく現れては消える
ドアから出て来ていた

私と同じように驚きながらも
先生らしき人の後ろについて
学校に登校している子。

慣れているかのように平然と
1人で登校している子

いろんな子がいた
「みーおちゃんっ
後ろ見て走ってると転んじゃうよ?」

「あっはっはい‼︎」

そのあとは先生に引かれるがまま
あっという間に教室のドアの前に着いた

「到着〜!ここが君のクラスだよ」

翠先生が可愛い笑顔で指をさした先には
白くて四角いプレートがあった

「1年3組…」

「そっココが君のクラスで、僕のクラス」

「改めて宜しくお願いします」

「うん!これからよろしくね」

先生はそう言うと
他にも連れてくる子がいるから!と
何処かへ行ってしまった

ドキドキ

ドアを開けるの緊張するなぁ…
深く息を吸う

そういえばさっき
慣れたようにドアから出る子いたけど…
その子達は中学から
魔力の専門校通ってるのかな
だとすると驚いたりしてた子は…

私とおんなじ初めての子?!

なぁーんだ!
じゃあ大丈夫じゃん
私と同じ立場の子もいるなら
その子に声かけてみようかなっ

少し気が軽くなり
私は勇気を出してドアを開けた

ガララッ

恐る恐る中を見渡すと誰も私に注目してない。

大丈夫だ。
溶け込める溶け込める。

自分にそう言い聞かせながら
私は黒板に書かれていた座席表通りに
横5列縦4列ある座席の
左から2番目で前から3番目の席に着いた

えっと…まずは友達作らなきゃ!

右の子は本読んでるし…
前はまだ誰もいない…

左は…
すでにグループが?!



どっ…どうしよう

これはやっぱり右の子に…

あっでも…
本読んでる途中で話しかけるのは
迷惑なんじゃ…

あああぁぁぁぁぁぁ

頭がぐるぐるしていると


「美桜…?」

後ろから聴き覚えのある声が聞こえてきた