そんな…

「それじゃあ念のため
今説明したマジパについての知識
記憶から消さないといけないので…」




どくん……どくん……


心臓の鼓動が深くなる
お母さんには、あったのに
そりゃ、こんな今まで普通に生きてきた私が
都合よく魔法の持ち主なわけないか

陽奈乃の事といい魔法が無いといい。
悲しい事だらけだよ




パキッ



え…?何の音?


気になって水晶を見ると

「え。水晶が破れてる…」

サーッ

一気に自分の血の気が引くのが分かった

私が壊しちゃったのかな?!
凄く高そうなのになんてことを‼︎

「ごめんなさい‼︎」

慌てて謝ると


「美桜さん。あなたは合格です」


真央さんが突然そういった


「え。光らなかったんですよ?!
何でですか?!」

「これは魔法で作ったもの。
ただ触れただけでは壊れません。
普通は光るだけですが、ごく稀にあるんです。
力が強力すぎて、光らず、砕けてしまう事が。
つまりそれほどの強力な魔力の持ち主だと
思っていいと思います。」

真央さんが淡々と説明する

「あ。ありがとうございます‼︎」

お母さんと同じく魔法があったんだ‼︎
嬉しくてお母さんに笑いかけた


「美桜ちゃんおめでとう。
それじゃあ早速入学手続きをしようね」

そう言うと翠さんが
カバンらたくさんの資料を出した

「え?入学手続き?」

「あら、さっきいいましたよね?
魔力がある方は魔法学園
通ってもらいます。これは規則です。」

真央さんが怖い顔で言う

「美桜。大丈夫よ
私も通っていたところなんだから
とても楽しいし
私達のように魔法を持つ子が
集まる学校なのよ」

ふわふわ心地良くて安心する
お母さんの力って本当に凄いな…
改めて強くそう思った。
陽奈乃もいないし、あまり未練はない。
あるとすれば、勉強頑張ったんだけどなぁ…


「では、注意事項なのですが…」

翠さんが説明するのを
私とお母さんは真面目に聞いた




「それと、外部の方には
存在自体がバレてはいけませんので
名前は魔法学園ではなく、
あ、お母さんはご存知ですよね」

翠さんがそう言うと

「えぇ。もちろん‼︎
星龍桜学園(せいりゅうおうがくえん)
ですよね?」


「え。えぇぇぇぇぇぇ?!

それってここら辺で1番華やかな
あの学園…」

高校入試は推薦だけの
入れるだけで凄い学園…

私には遠い存在だと思っていたのに…

「はい。そうです。」

真央さんがニコリと笑って言った

「情報を外部に漏らすのは絶対に禁止
他にも規則も多いですが
それを守れば他の高校の
何倍も楽しいと思うわよ」

「美桜ちゃんにまず守って欲しいのが
これから入学するまでは絶対に誰にも
星龍桜学園に入る事や魔法の存在。
君が魔力を持ってること
そしてむやみにそれを使うことは
絶対にしないで欲しいんだ。」
翠さんが今日見た中で一番真面目な顔で言う。



「は、はいっ。」

ゴクリと喉がなる…なんか緊張してきた



「教材や制服は後ほどお届けします」



全ての説明が終わると2人は帰っていった。