「何?だれ?あんた」
物凄く不愉快そうに1人が言う

「み、美桜ちゃ…何でっ…」

「陽菜乃!」

私は震えて声もろくに出せない陽菜乃を
ぎゅっと抱きしめた

「あ〜♡私しってる〜!
この子、劣等生だよ〜!!」
「あ、噂の魔法が出せなかった女の子?」
「あははは!!あんた魔法使えないのー?」

私は、返す言葉も無く黙り込んでしまった

「勢い良く出てきたわ良いけどね〜
私達に勝てるわけないでしょ〜?劣等生」
「良いからぁ〜その子を私達に寄越しなよぉ」
「きちんと締めときたいんだから♡」

クスクス笑いながら言った。

あぁ。クラスの雰囲気とそっくりだ

「陽菜乃と、ノアは関係ない」


「ノア様を呼び捨てにするな!!」
「こいつ〜何様のつもりなのぉ?」
「しばくぞ♡」

「美桜ちゃん。逃げて…お願い。逃げて!」
目が怖い3人に睨まれながらも
腕の中の陽菜乃を私は絶対に離さなかった

「あぁー。イライラする。
劣等生に私の魔法を見せてあげる」

そういうと、3人の後ろにあった
1mはありそうな大きな岩が浮かんだ

これって…念力…?!

「2人仲良くペッシャンコの刑だ」
「治癒魔法ちゃんいるから死なないよねぇ」
「忘れられない痛みを感じるだけ♡」

そう言と、私達の頭上3mはあるところまで
岩を動かし、落とした。岩はみるみる近づいてくる

陽菜乃を抱き抱えて、逃げなきゃ!

でも、私の足はすくみ、陽菜乃は腰が抜けていた

陽菜乃を守るんだ。陽菜乃を!!

私はそう強く思いながら、陽菜乃を覆うように
強く抱きしめる事しかできなかった。

「私に魔法があれば!!」

パリーン

ガラスが沢山割れる音

しばらく目をつぶって構えていたが、
全く岩が当たる気配がない

そっと目を開けると、私と陽菜乃を中心に
半径1mの縁を描くように何も無く、
そして校舎側は、廊下に沢山の窓ガラスの破片
女子生徒は3mほど向こう側で3人とも伸びていた

「えっ?何が…」
「美桜ちゃん!指輪!指輪が光ってる!」
「えっ?!」

私の指輪を見ると
「何これ、何でこんなに濃ゆいの…?」
「凄いよ!ノア君よりも何十倍も濃ゆい!」

「「ピンク!!」」

「私、今魔法使ったの?」
「きっとそうだよぉ〜!ありがとう」
「でも、いったいどんな魔法?」
「私も、目を瞑っていて、、、」

「私が見てましたわ。」
そう言って壁の向こうから出てきたのはディア
「陽菜乃。ごめんなさい!友達なら
美桜のように飛び出して立ち向かうべきだわ。
私は友達失格です。ごめんなさい」
泣きながらそう言った

「ディア…」
「陽菜乃。ディアはね?陽菜乃の事を
走って私に知らせてくれたんだよ」
「でも、私は怖くて飛び出す勇気がなかったわ」

「ディア。ありがとう!
ディアがいなかったら私、口裂け女だったよぉ」
そう言って陽菜乃はディアに手を伸ばした

ディアは陽菜乃に近づくと
2人は抱き合いながら泣きじゃくった

本当に、無事でよかった…