「楽しかったみたいでよかったわ」
「うん!てもお兄ちゃんには会えなかったよ」
「そうなの、残念ねぇ」

一通り今日の出来事を話した後、
私は自分の部屋に荷物を置いて
今までのように陽菜乃の家に遊びに行こうとした

「お母さん!行ってきまーす!」

「美桜?どこにいくの??」

ガチャ

ドアを開けるといつもの外の風景

ゴンッ

「えっ??」

これは…
今日登校するときにもぶつかった
透明な板のような物…
でも、なんで?指輪は、はめてるし、そもそも、
学校に行こうとしたわけじゃないのに

「陽菜乃ちゃんの家に行くなら
学校から陽菜乃ちゃんの家に行かなきゃ」

後ろからお母さんの声がして振り返ると
お母さんが申し訳なさそうな顔をして見ている

「お母さん…これどう言うこと?」

「一度指輪をはめた人は3年間
校外は家の中だけしか行けないのよ。
魔法を校外の人間にバレないようにするため」

「そんな……」

それじゃあ、後で行こうと思っていた
碧の家は?3年間決して行けないって事じゃ…

「どうしてもダメなの?」

「えぇ。規則ですもの。
家には結界が張られているのよ。
これは外部から貴方達を守るためでもあるの」

「どう言うこと?」

「あなた達がいる時は
魔法の存在を知らない人は決して家の中に入れない
それが例え家族であってもね」

「そんな…じゃあ陽菜乃ママとパパは?!」

「大丈夫。2人とも能力を持っているわ。
言われたでしょ?魔法が使えた両親には
魔法が使える子供ができやすいって」

「じゃあ、そうじゃない子達は?」

「……」

お母さんは悲しそうな顔をした

「寮生活になるの。」

「じゃあ…お兄ちゃんが寮生活になって
全然家に帰ってこれないのって…


私がいたから?」


「卒業式の時とかは申請を出したみたいなの
でもお兄ちゃんは優秀な魔法を使うから
どうしても外出出来なかったみたいなの

許してあげて」

「許すも何も、私のせいじゃん」

そっか。お兄ちゃん私のせいで

「でも、嫌ったわけではないんだよね」
「えぇ。沢山手紙が来てたでしょ?」
「うん!」


お兄ちゃんの急に始めた寮生活の謎は
私が魔法が使える人かもしれないと言う
同じ立場になってやっと解けた