「1年3組の皆さん!
色々な場所を回れましたか〜?」

2.3時間目の校内探検を終えて
私たちクラスは魔法訓練室C塔に来ている

天井も高くて奥行きもあって
体育館の一回り小さいサイズのようだった。
壁は頑丈そうで、入り口に入る時、
凄く厚みがある事がわかった。

「広すぎて周りきれないよ…」
「途中お茶しちゃったしねぇ」


「それじゃあ早速。番号順に呼ぶから
先生と一緒に魔法を出して指輪に色つけしよう」

翠先生は黙々と生徒の名前を呼び出す

皆んな反応には強弱があった
色は黄色、緑、黄色、黄色、、、
黄色が比較的多くて
やっぱりピンクは誰も出ない。

「…次は立花美桜さん」

「は!はい!!」

「美桜ちゃん頑張れ〜」

私は緊張しながら翠先生の近くに行く
皆んなが注目している中、先生に言われた通り
指輪をはめた右手を前に出して意識を集める


「……」

「……出ないね」

「も、もう一回やってみます!」

さっきよりも全身に力を入れて挑戦してみる

「………」

「…美桜ちゃん。
人によってはコツを掴むのが難しいんだ。
焦らずまた今度やってみよう」

「…はい。」

なんで出ないんだろう。
私の魔法って一体…水晶の時も割れちゃったし

「美桜ちゃんドンマイ!
私も特訓付き合うよ!美桜ちゃんなら大丈夫!」
「…うん…ありがとう」

「ねぇねぇ…もしかしてあの子…」
「あぁ…」

クラスの方からヒソヒソと話し声が聞こえてきた

「ねぇ陽菜乃、皆んな人な話しして…」



「絶対魔法ないって」
「先生騙して入ったんじゃない?」
「うわぁー名門校に入りたいからって」


あぁ。陰口かぁ〜
「美桜ちゃん…」
「大丈夫。皆んな魔法出せてるのに
今の所私だけが出せていないんだもん。
皆んなそう思っちゃうよ。私も……。
私が魔法を使えるようになると、
皆んな何も入ってこなくなるって!!!」
「私は美桜ちゃんの味方だよ!
魔法が出せても出せなくたって!!」
「ありがとう」


「…次七瀬陽菜乃」
「はい!…美桜ちゃん行ってくるね」
「うん!頑張れ!」

「それじゃあ陽菜乃さん。意識を集中させて」
「はい。」

ピカーーーン


綺麗な桃色…

「凄い!あの子ノア様と同じ自然魔法」
「しかもノア様と色の濃ゆさは同じじゃないか?」

…凄い。これが、陽菜乃の魔力

「ただいまぁ〜」
「お帰り!陽菜乃凄いね!自然魔法だよ!」
陽菜乃の手にはめられた指輪の宝石は
ノア君と同じ濃ゆさのピンク色に光っていた



「次、ノア=ヒュードル・フロウ」

「きゃーーーー」
「さすがですわ」

…ノア君のピンクも陽菜乃と同じで綺麗



結局クラスで魔法を発動させられなかったのは
私だけだった。