キーンコーンカーンコーン


1時間目はこの学園の制度の説明
みんなの自己紹介で終わった

「2、3時間目は校内を自由に見回る時間です
地図を絶対に持ち歩く事。
4時間目が始まる前には魔法訓練室Cに集合!

それじゃ、解散っ!」





「美桜〜!一緒に回ろうっ!」

「もちろんっ!」

陽菜乃と一緒に廊下を出た

来るときにも通ったけど長い廊下だなぁ


「美桜!!まずは、どこに行く?」
「そうだなぁ。じゃあ、食堂でっ!」


しばらく歩くと沢山の人が集まっていた

「陽菜乃。アレ、何だろうね」
「本当だ。ノア君かなぁ?」
「えっ!ノア君って今日前に出てた人?」
「うん。すごく綺麗な人だったよねぇ!」

陽菜乃はウットリとした顔で言う

「確かに瞳がとても綺麗だったね。」

ドンっ

「うわぁっ」
「きゃっ」


人だかりの前に歩いてきたかと思うと
後ろから来た女の子達に割り込まれてしまった。

人混みに流されて陽菜乃と離れてしまう。

「美桜〜っ!!」
「陽菜乃!私遠回りするから!食堂で!」
「うんっ!」


やっとの思いで人混みから抜け出し
振り返って見ると
中心で誰かが話している声が聞こえた

「えっ。」

狐色のサラサラとした髪の毛に
深い緑色の瞳。

人の隙間から一瞬だけ見えたその男の子は
とても柔らかい笑顔で女の子達と話していた

なるほど。ノア君並のカッコよさ。
そりゃ女の子達も集まるわけだ。

一瞬目があったようにも思えたけど…

「まっどうでもいいか!」



とりあえず食堂は一階だから…
まずは階段を降りないとっ!

やっとの思いで見つけた
非常階段用らしい階段を降りて
重たい扉を開ける

ギギギギッ

音がすごいなぁ。
あまり使われていないのかな。

開けたドアの隙間から
太陽の日差しが眩しが眩しい。
外へ出ると
沢山の木々と芝生の生い茂る場所だった

「裏庭かな?ピクニックできそう。
今度に陽菜乃を、ここに連れっっっ!」

ドシャ

木々に見とれすぎて足元を見てなかった

「いった〜。顔から落ちた。」

幸い、柔らかい芝生がクッションになって…

違う。暖かい?

「イッテェな」

私の下からドスの効いた凄い声が聞こえた。

そこにいたのは
真っ黒な髪の毛の男の子。
アレ?でも制服が少し違うような…

「ねぇ。いつまで乗ってるわけ?」

「えっ。あっごめっ…」


男の子と目が合うと私は一瞬で魅了された。

炎のように赤い目と綺麗な紫色の目…
凄く綺麗で吸い込まれそう。

「凄く綺麗な瞳…。
この学園には、綺麗な瞳の人が多いけど…。
比べ物にならないくらい綺麗。」

ドンッ

「いったっ」

男の子に…蹴飛ばされた?

グイッ

その子は私に近づくと私の前髪を鷲掴みした。

「いっ痛い……!!」

「今見た事は忘れろ。誰かに言えば殺す」

今見た事?何のこと?
サボって居眠りしてたこと?

「サボってたアンタが悪い」
「あぁ?サボってんじゃねぇよ。」
「じゃあ何!!」
「あーウゼェ。痛い目みないと
分かんないのかよ。」

そう言って男の子は右手を私の顔の前に出した

ボオゥ

「えっ…」

男の子の手には炎が出てきてた