「──あーあ、またターゲットにされちゃうね」


声をかけてきたのはわたしを"饒舌"だと言った男子生徒


「自分を持っているのはいい事だとは思うよー? けど、現状は誰かに合わせるのが生きやすい術じゃないかな」


「……だとしても、便利屋にはなりたくない」


「そっかぁ。 ま、ボクは本田さんのそういう所嫌いじゃないよ」


「……」


すれ違うように男子生徒は教室へと戻っていった


……わかっている、いじめは必ず再発する


ターゲットはわたしだ


取り巻きも今やクラスの頂点に立っている


思い通りにならない者には制裁を与えるのが当然だろう


だからといって、わたしは考えを改めようとはしない


正直者が生きにくい世界なら、わたしはそれでも抗おう


目標があるから、わたしは生きる











































──そうしてわたしはいじめが始まる教室へと足を踏み入れるのだった





























                  end.