「あれ~? 本田さんじゃん。 ここで何をしているの?」
「見ての通りよ。 わたしに何か用かしら?」
「あ、そうそう。 ここに蛍ちゃん来てない?」
「……わたし一人だけよ」
「ほんとにぃ~? ──庇っているなら容赦しないよ」
先程までヘラヘラ笑っていたのかが嘘のようだ
声が一気に低くなり、思いきり睨み付けられた
「庇ってもいない。 大体、わたしが彼女を庇って何のメリットがあるの?」
「──ハッ、そりゃそっか! 本田さんは蛍ちゃんの被害者だものね。 助けるワケないよね」
「……」
「じゃあ、蛍ちゃん見つけたらアタシ達に言ってね!」
わたしの話を理解したのか取り巻き達は倉庫を後にした
足音が遠ざかった事を確認し、彼女に声をかけた
「あ、ありがとう」
「お礼を言われるような事はしてないから」
「……」
二階堂蛍は何かを言いたそうに辺りを見渡していた


