あれから一月が経過した
二階堂蛍へのいじめはエスカレートしていく
わたしの目に写る彼女は日に日に疲弊しているようだった
彼女を助けようとする者は一人もいない
──昼休み
わたしは古ぼけた体育館の倉庫で昼食を摂っていた
そこは普段は埃っぽく、使われなくなった用具が乱雑に置かれている
誰も使う様子がなく、よかれと思い使用していた
昼食を摂った後は図書室から借りてきた本を読もうとカバンを手にした時
ガラッ…ガラガラッ
重い扉を必死に開けて中に入ってきた女子生徒
その子は二階堂蛍なんだけど
彼女はわたしを見るや顔をひきつらせるが、すぐに「あたしはいないと言って!」と叫び、跳び箱の後ろに隠れた
そして、一分もかからない内に再び倉庫の扉が開き、複数の足音が入ってきた
それらは彼女の取り巻きで今は率先的にいじめている人達だった


