机わたしが使用している机ではなかった
落書きがないまっさらな机
落書きだらけの机は二階堂蛍が座っていた場所にあった
わたしは机を持ち、クラスメートに近づいた
「ねぇ」
一人の男子生徒に声をかける
いつもは無視されるハズだが、
「あれ? 本田さんどうしたの、机を持って」
……こちらの方を見て聞き返した
「……ちょっと退いてくれる?」
男子生徒を押し退け机を持ったまま、中心まで移動する
真ん中は一言でいうと悲惨だった
女王の威勢を持った彼女はどこにもなかった
彼女が着ていた制服はボロボロになって髪もボサボサになっている
顔には殴られた跡が残っていた
その姿を一別した後、彼女の前に机を置き、落書きだらけの机を持って自分の場所へ戻ろうとした
だが、
「ちょと待ってよ!」
それをクラスメートに止められてしまった


